全国表彰の受賞者

ラジオ体操の普及に寄与した功績の顕著な個人又は団体への表彰が、株式会社かんぽ生命保険、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟の三者共催で毎年実施されています。この表彰は、かつての郵政省簡易保険局が、簡易保険創業40周年、郵便年金創業30周年の記念事業の一環として昭和31年9月から府県別表彰を実施したのが始まりです。その後、同37年10月には全国・地方表彰が加わり、今日に至っているものです。

本ホームページでは、これらの受賞者の方々の中から全国表彰受賞者で取材に応じていただけた個人もしくは団体の代表者の方にインタビューし、エピソードを交えながら順次ご紹介していくものです。(掲載は順不同)

平成30年度ラジオ体操優良団体等全国表彰受賞者

平成30年度の全国表彰は7個人、7団体が受賞し、8月5日、岡山県倉敷市で開催された1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭にあわせ同地で表彰式が行われました。(都道府県別に北から、受賞者名50音順で表示。)

志和 秀春(しわ ひではる)さん

《北海道根室市》

◎「根室市民ラジオ体操の会」を創設

 志和さんは根室市、中標津町、別海町で小学校の教員生活を40年続けました。学生時代は陸上競技に取り組んでいたこともあり、ラジオ体操を通じての児童への教育も熱心に行いました。平成5年に定年退職してからは故郷の根室市に定住し、翌年には市の体育指導委員の委嘱を受け、市や体育協会が主催するスポーツイベントにおける準備運動として、ラジオ体操採用に尽力しました。

 平成10年には根室市でラジオ体操をさらに普及したいとの願いから、体育指導委員の仲間とともに「根室市民ラジオ体操の会」を創設しました。そして市内のときわ台公園会場で「市民早朝ラジオ体操会」をスタートさせました。以後、今日まで会長として活動の中心に立ってきました。

◎アイデアいっぱいの活動を展開


志和 秀春さん

 会が発足して10年目となる平成19年からは、市街地の3つの小学校を会場に3日間「夏休み巡回市民ラジオ体操の集い」を開いています。NHKの「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」にヒントを得た根室版巡回ラジオ体操会です。平成21年からは、月に2回「ラジオ体操会かわら版」を発行しています。会の活動報告および案内ですが、イベント参加者の氏名も掲載して人々の動機付けにもなっています。

 また平成23年からは「モデル職場」「モデル団体」を募集して新たに取り組む企業や団体への普及を進めました。ほかに小中学校へのラジオ体操の出前授業などアイデアいっぱいの活動を繰り広げています。志和さんはこれらの活動について「ラジオ体操を生活に定着させることが目的です」と語っています。

◎自主性を重んじる週2日制

 市民早朝ラジオ体操会がその開催を土、日と限定していることについて、志和さんは「参加者には勤めている人もいるなど“毎日はとても”と考える方もいるでしょう。他の5日間はどうか都合の良い時間にそれぞれで行ってくださいという気持ちで、参加者それぞれが持つ個人の時間を自主的に活用することは大事です」と語っています。

 志和さんは今、「根室人国記」の制作に力を入れています。「現役を退いた方でこの道一筋に生きてきた、それでいて無名の人物に光を当てる仕事です。仲間3人で始めてこれまでに第2集までをまとめ、登場者は180人に上っています。現在第3集にかかっており年度内には60人程度を登場させてまとめる予定」とか。「取材しながら市井の人の心意気にふれるのが楽しみ」という志和さんのお話に、自主性を重んじるラジオ体操会というのを少し理解できたような気がしました。

【2018年11月21日掲載】

長内 禎子(おさない ていこ)さん

《青森県青森市》

◎スポーツクラブにラジオ体操を採用

 長内さんは高校生のとき器械体操を経験、卒業後に高校の体育助手になりました。その後、幼児教育にも関わり、一時は今で言うキャリアウーマンを目指しましたが、結婚で主婦業専念に方針を転換しました。しかし、30代半ばごろから社会との関わりを持ちたいという気持ちが強くなり、昭和46年に市の教育委員会が主催する「女性のための健康教室」に参加し、翌年に同教室の参加者らの要望で「青森市女性スポーツクラブ」が発足、昭和52年からは長内さんが指導することになりました。

 このクラブは今年3月に閉じるまで46年間続きました。クラブでは、様々な運動を行いましたが、最後に必ず整理運動としてラジオ体操を行っていました。長内さんは「全身の筋肉をほぐすのにぴったりの体操だからです」とその理由を語っています。

◎率直な人柄が評価される


長内 禎子さん

 地味ではあるものの、長内さんの活動は体育教育に関わる周囲の人々の目に留まります。市や県の依頼で各地のスポーツセンター、市民センターなどで「健康教室」が開かれるたびに講師として派遣されるようになりました。この間、昭和55年に青森県トランポリン協会理事長、平成8年に青森県体育協会副理事長、そして青森県ラジオ体操連盟理事、理事長として今日まで23年間務めています。

 「普通に好きなことをしてきただけなのに、何故声がかかるのだろう」と考えていましたが、ある人から「率直な話をしやすい人柄だから」と話されたことがあるそうです。ご本人は「女性を意識しないということらしい」と笑って話していました。

◎大病回復のカギは気質とラジオ体操

 現在、長内さんは毎月2回、青森市の高齢者のための趣味講座「健康体操教室」の講師をしています。ここではラジオ体操を含め、正しい動きを指導していますが、モットーは楽しく行うこと。「とにかく普段から出来るだけ身体を動かすように」「食べ物をしっかり食べて筋力を保つ」などの生活上の留意点を説きながら、進めます。

 教室の終わった後の有志による昼食会では、時にビールを楽しみながらの和気あいあいの場をもちます。長内さんの信条は「やりたいことをやり、好きなものを食べ、かつ飲む。ストレスをため込まない」です。70代にいくつもの大病を経験しましたが、今はすっかり健康を回復しています。「周囲から治りが早いと言われました。この気質とラジオ体操のおかげですよ」とさわやかな笑みを浮かべていました。

【2018年11月8日掲載】

田島 節子(たじま せつこ)さん

《千葉県市川市》

◎指導と普及にまい進

 田島さんは30代半ばのころ、小2と小3の子どもたちと、夏休みに近所の公園のラジオ体操に参加しました。子どもたちに夏休み中の規則正しい生活をさせたいとの考えからでしたが、自営業で外へ出る機会の少なかった自身にとっても気分転換と健康維持に役立ちました。その公園で指導していた故、横山早苗氏に勧められ、翌年には錦糸町の講習会(東京都ラジオ体操連盟主催のラジオ体操指導者講習会)に参加して指導法を学びます。そして横山氏とともに行徳ラジオ体操会を設立、副会長となりました。

 以後、今日までラジオ体操の指導と普及にまい進してきたと言っても過言ではないでしょう。南行徳公園、広尾防災公園と2か所の会場を立ち上げています。後継者として6名の指導員を育成する一方で、現在も毎年錦糸町へ通って指導法の点検を欠かさないようにしています。

◎支え合う夫婦


田島 節子さん

 家業は屏風や襖を製作する表具師の仕事です。夫の義弘さんは、屏風で「千葉県の卓越した技能者」の指定を受ける現代の名工。田島さんはその助手として仕事を手伝いながら主婦業も務め上げてきました。「毎日、家にいるので絶対に朝のラジオ体操を休まない。横山さんから頼りにされたのはそのことも大きかった」と笑います。一方で、ラジオ体操ばかりでなく、好きなスポーツにも打ち込んだ経験を持ちます。「国立競技場での夜間のランニング教室に4年間通い、毎年1回はフルマラソン」を走りました。山登りでは富士山に過去3回登頂しましたが、「頂上で仲間や夫と一緒にラジオ体操を行い、周辺の多くの人を巻き込んで爽快感を味わった」などというエピソードもあります。互いに支え合う夫婦の姿そのものです。

◎さらに会場立ち上げに意欲

 現在、田島さんは最初の行徳駅前公園の指導を後進に任せ、1週間の内、月曜日から金曜日までを南行徳公園で、土日の2日間を広尾防災公園での指導にあてています。南行徳公園も広尾防災公園も家から少し距離がありますが、自転車で通います。フォローアップ講習会など、他に外せない用のあるときは、義弘さんとお仲間が代わりにラジオを持って公園へ行きます。普及に関して、市の教育委員会を通じて小学校への働きかけなども行いますが「一番は市内に新たな会場を立ち上げること」と思っています。

 「主人は床に就くまでは刷毛を離さないといつも言っています。私も床に就くまでは指導と普及活動をやめません」とラジオ体操の普及にかける覚悟を語っていました。

【2018年11月8日掲載】

今井 要一(いまい よういち)さん

《東京都台東区》

◎初めは半強制だった

 自営業で、サラリーマンより時間の拘束が少なかった今井さんは、町会から頼りにされてきました。ラジオ体操との縁も、40代の頃、町会の文化部長となったことから始まりました。ラジオ体操が担当の1つだったのです。同じく担当した子ども会でも夏休みのラジオ体操との関わりがあり、行事の手伝いをする中で、先輩から指導法を学びました。「熱心な方がおられて鍛えられました」と言います。

 以来ラジオ体操一筋かと伺うと「その当時は、面倒くさいと思う時もあった」そうです。ただ、後継者を育てようと人々を勧誘しているうちに「まさか自分がやめるわけにはいかない」と思い直したとか。「初めは半強制だったのですよ」と笑う今井さんです。

◎女性2名を副理事長に


今井 要一さん

 戦後に再開されたラジオ体操の第一声は台東区からでした。区内にある松葉公園から実況放送されたという、記念すべき歴史があります。台東区ラジオ体操連盟は18か所の年中会場と141か所の夏休み会場を抱える大所帯。毎年夏には11地区で地区大会を行い、延べ6000名が集まります。また夏休み前には多胡肇氏を講師に4日間の指導者講習会を開き、こちらも毎年200名近くが参加します。

 今井さんは、その伝統ある連盟理事長にこの4月に就任し、それと同時に4名いる副理事長のうち2名を女性に指名しました。「区内でラジオ体操をしている人は女性のほうが多くなっています。女性にもっと活躍してほしい」との思いからです。

◎よく耳を傾けるリーダー

 毎朝ラジオ体操の指導を入谷南公園で行う今井さんですが、終えた後には上野公園などを約1時間半から2時間かけて歩き1万歩を超えます。時々、80代の仲間と山歩きをしますが、それが可能なのも日頃のこの鍛錬の賜物なのです。

 自営業は7年前に止めていますが、町会長も続けているため、「毎日何かしらの行事がある」という多忙さです。今回の取材の間もひっきりなしに電話が入り、その忙しさを目の当たりにしました。見せていただいた自作の詩に「私の出来ることは聞くことだけです」というフレーズがありました。人の話によく耳を傾けるリーダーなのであろうと推測しました。

【2018年11月8日掲載】

大澤 俊(おおさわ たかし)さん

《東京都杉並区》

◎父の遺志を継ぐ

 大澤さんの父は区役所勤めでしたが定年を前に50歳で職を辞し、以後の人生を地域への貢献に奮闘しました。ラジオ体操もそのころから始め、妙正寺公園ができた昭和38年に、同公園で会場を立ち上げました。大澤さんは昭和42年に新設された近くの特定郵便局の局長に就任したのを機に、父が普及に力を入れるラジオ体操を側面から支援しました。その後、妙正寺公園での指導を引き継ぎ、この春まで会長を務めました。父が20年、息子が30年にわたって同会場を支えたのです。

 自宅から郵便局のある職場までの道筋に、ラジオ体操会場と先祖の時代からお守りする神社があり、毎朝、神社の掃除をして公園でラジオ体操、その後に職場へ通うことを続けました。

◎ラジオ体操は一日のけじめ


大澤 俊さん

 大澤さんは中学、高校とサッカーに取り組んだスポーツマンですが、運動に対する考え方は恬淡としています。「健康に良いからとスポーツで身体を酷使するのは違うと思う」と言います。ラジオ体操についても「参加者はそれぞれのマイペースで行うことが大事」と考えています。長年ラジオ体操会で指導した経験から「誰しも年を取れば、体が思うように動かなくなるのであって、若いときのように動かす必要はないです。無理をするのは体を壊す元」と話していました。

 ラジオ体操の効用については「早朝に行うことで、その日の行動を起こす前のウォーミングアップとなる」とし、日々の生活のアクセントとしての役割を重視しています。

◎芝生の上でラジオ体操も

 先祖は400年前にこの地に住み着き養蚕などを営みました。同家に伝わる古文書は杉並区の指定有形文化財です。大澤さん自身、生まれてこの方、この地を離れたことはなく、まさしく地域に密着した人生を送ってきました。15年前に退職した大澤さんですが、以後は地域の様々な公職で席の温まる暇もないと言います。自治会、小中学校、神社などを維持するための様々な役割に積極的に取り組んでいます。

 そんな大澤さんが今楽しみにしているのが、自身も卒業した近所の小学校の校庭を四季の芝生で覆うこと。「校庭の芝を守る会」の会長になってさらなる成長を願っています。子どもたちが芝生の上で裸足になってラジオ体操をする姿が目に浮かぶようです。

【2018年11月8日掲載】

土屋 直(つちや ただし)さん

《山梨県甲府市》

◎ラジオ体操の宣伝塔の役割

 土屋さんは若くして政治家をこころざし、30代で甲府市の市議会議員になりました。3期務めたのちに山梨県議会議員に転じ、ここで7期にわたって務めあげました。ラジオ体操との関わりは、県議会議員になってから県の体操協会、ラジオ体操連盟の役職についたことによります。体操協会会長として42年、ラジオ体操連盟会長として22年にわたってそれぞれの普及促進に取り組んできました。長年にわたり多くの行事でラジオ体操の宣伝塔の役目でしたから「ラジオ体操の土屋さん」として知られた存在となりました。

◎伝統ある山梨県のラジオ体操


土屋 直さん

 山梨県はラジオ体操の技術レベルが高いことで知られています。県の体操祭や市の体操祭ではさまざまな競技を行いますが、ラジオ体操もそれらの種目の一つとして各地区の予選を勝ち抜いた代表チームが技術の高さと美しさを競います。「全国的にも著名な指導者がおられたことで、発展に弾みが付きました。そんな山梨県の伝統をこれからも守っていきたいですね」と土屋さん。

 一方で、より多くの人々の参加を促進する狙いから「将来、甲府市で巡回ラジオ体操・みんなの体操会が開かれる折には3000名を集めたい」と意気込みを語っていました。

◎「一日一善」を公言

 土屋さんは議員を引退して10年になります。引退後の生き方として公言したことは「一日一善」でした。1日に1回は善いことをするという、平凡ながら実行が難しい生き方を今も継続中です。「車を運転しているとき、前の車と5メートルの車間距離をとると、必ずと言ってよいほど割り込まれます。腹が立たないわけではないが、一日一善と思っているので怒るわけにいかない。まあ我慢しよう、となります。自分の努力が足りない、といつも思っています」と言います。議員生活を振り返っていかがでしたか、と尋ねると「全部が苦労」と言った後で「いやいや本当に苦労したのはこの人です」と傍らの夫人を指していました。

【2018年11月27日掲載】

テクノエクセル株式会社(てくのえくせるかぶしきがいしゃ)さん

《長野県須坂市》

◎半世紀以上前からの取り組み


管理部門のラジオ体操風景

 テクノエクセル株式会社では、全社で毎朝8時5分からラジオ体操第1を行い、終了後に朝礼をするのが決まりです。本社ビルの4階に管理部門があり、他のフロアは製造現場となっています。ラジオ体操は各フロアの職場内で実施します。

 ラジオ体操を社内へ導入した時期について、同社の社内報には「昭和40年ごろ」とありました。社長の神林憲嗣さんは「初めのうちは町工場だったこともあり、それぞれが自発的にやっていたと思う。会社の陣容が整うにつれて、組織的に行おうということで音楽を流してきっちり時間を決めてという形に発展したのでしょう」とこれまでの経緯を語ります。

◎水回り製品に特色

 同社の創業は1875年。現社長の祖先が須坂の有力者とともに製糸業の協同会社を興したのが始まりです。その後、時代の変遷を経て機械加工部品の生産を始めました。高度成長期に入ってからは、家電分野の伸展に合わせてホームエレクトロニクス分野へと進出しました。現在は、洗濯機、給湯器、浄水器、温水洗浄便座などの水に関連する家電部品を主力とし多くの大手メーカーと取引しています。

 オリンピック、住宅のリフォーム、中国でのトイレ革命などで目下の需要は旺盛なようです。社長に就任して1年目という神林さんは「人手不足もあり、いかに魅力のある会社にするかを考えています。併せて世界市場に売れる製品開発に注力したい」とのこと。

◎海外工場ではラジオ体操指導にDVDを活用


社長の神林 憲嗣さん

 少子高齢化で国内市場の限界がはっきりする中で、国内製造業の多くは海外生産の比重を否応なく増やしています。同社も国内の従業員230人に対し、中国には2つの工場があり1500人が働いています。またベトナムの工場にも200人の従業員がいます。これら海外の工場でも始業前のラジオ体操は必須です。

 最近、これらの工場では、慣れない社員のためにDVDを使っての指導を始めました。「海外では全くなじみがないと思うので、なれるまでの教育としてやっています。生産効率や社員の健康などいろいろな面で効果を期待しています」と神林さん、ラジオ体操への「信頼」が生んだ施策であることを強調していました。

【2018年11月27日掲載】

株式会社中西電気(かぶしきかいしゃ なかにしでんき)さん

《富山県黒部市》

◎事故防止に気を配る


本社で朝のラジオ体操

 株式会社中西電気は、富山県を主な業務地域とする電気工事および関連設備の製作を行う企業です。全社員約90名のうち本社に30人と、他に3つの業務拠点があり、それぞれ10~20人が在籍しています。ラジオ体操は毎朝7時50分から本社および各拠点で行います。

 顧客の多くが製造工場などの事業所であり、それぞれの現場で工事をすることが仕事の中心です。高所作業車、重機などを扱う大掛かりな工事も少なくないことから、「交通安全を含めて事故防止には特段の気を使っている。ラジオ体操も事故防止の一環です」と社長の中西栄二さんは言います。

◎仕事でも個人の生活面でもプラス

 ラジオ体操の導入について、中西さんは「今日の体調を、ラジオ体操をしながら自分でチェックして仕事にのぞむということ。次に管理者は部下と一緒にラジオ体操をしながら、それとなく彼らの動きを見て腰を痛めていないかなどを判断してアドバイスすることも大事」と仕事上の意義を語っています。

 一方、個人の感想と断りながら「ラジオ体操をしっかりやると良い運動になります。柔軟性を高め、体力維持にもつながると思っている」と生活に関わるプラスアルファも感じるとか。

◎講習会で成果


社長の中西 栄二さん

 同社では昨年2月、全社員を集めての「安全大会」で地元の1級ラジオ体操指導士の講師を招いて1時間のラジオ体操講習会を行いました。「全社員が正しいラジオ体操をしっかり学んだと思います。以後の毎朝のラジオ体操を見ていると、動きが揃ってきたように感じます」とその成果を感じ取っているようです。

 社業の今後について中西さんは「電気工事はメンテナンスが欠かせないので、工場の多い当地域は底堅い需要があります。日進月歩の技術を習得しながら人材を養成していくことが大事。若い人に魅力ある職場にしたい」と抱負を語っていました。

【2018年11月21日掲載】

内田 一郎(うちだ いちろう)さん

《静岡県浜松市》

◎自治会にラジオ体操の普及支援を提案

 内田さんは平成4年に定年退職するまで、浜松市内の中学校の教員を務めました。担当は国語です。しかし、学生時代に体育が得意だったことを認められ、教職について最初の10年間は体育の授業も兼任していました。そして、体育の授業の準備体操としてラジオ体操を励行しました。そのことがラジオ体操への関心を一層強めることになりました。

 教職の定年退職後、しばらくして地元の自治会の副会長になり、住民の健康増進をはかるには何が良いかを議題にしたそうです。内田さんは「大人も子どもも男女の別なく取り組めるラジオ体操を取り入れてはどうか」と提案しました。それが通って自治会の支援が実現します。

 一方、自身も率先してラジオ体操に取り組むことにし、平成11年には小豆餅公園でのラジオ体操会を正式に発足させています。

◎「たより」は心の財産


内田 一郎さん

 内田さんが自治会支援の体制をつくったことで、小豆餅公園のラジオ体操会は様々な普及促進策を順調に進めていきました。独自の年間出席カードの作成、出席回数に応じた表彰制度、ラジオ体操に関わる地域の情報を伝える「たより」の発行、さらには地元の小学校への夏休み前の実技指導などの施策を次々に打つことができたのです。秋の町民運動会では、熱心に夏休みのラジオ体操に通った小学生を自治会長が表彰しています。

 なかでも「ラジオ体操会たより」の発行は現在110号に達し、内田さんは「ラジオ体操の普及に努めてきた証であり、自分の心の財産と思っている」と言います。

◎声を掛け合う

 自身のことを「声を掛ける人」と自認する内田さんは「皆さん声を掛け合いましょう、といつも話します。勿論、自分でも新しく会に加わった人などに声を掛けます。そして、何でもいいからおしゃべりをする。昨夜食べた食事のことでもいい。“ラジオ体操会に出たらひとりでしょんぼり帰らないで下さい”と言っています」と会話を皆に働きかけています。

 「高齢になれば、ご夫婦の内どちらかが先に亡くなり必然的にひとり住まいが多くなります。そういう方々に是非、元気になってもらいたいと思います。ラジオ体操の大きな社会的効用ではないでしょうか」と熱く語ります。

 浜松ラジオ体操連盟会長として、日々様々な行事の企画や運営に追われる身でしたが、今年になって理事長制を設け、少し負担が軽くなったという内田さん。「声掛け」はこれからも続きます。

【2018年11月27日掲載】

王子すみれ会(おうじすみれかい)さん

《兵庫県神戸市》

◎歴代会長を女性が占める


雨模様の日は庇の下で

 王子すみれ会は、昭和63年9月に誕生した神戸市灘区の王子公園を会場とするラジオ体操会です。元日から大みそかまで休みなく開く年中会場です。3月から11月までの晴天時には同公園のサブトラックで、雨天時と12月から2月は競技場入り口の庇の下で行います。雨の日でも30~40人、夏場には140~150人が参加します。4代目現会長の皆内律子さんまで、歴代会長はすべて女性。会長を含め指導する4人の内3人は女性です。

 皆内さんは「参加者の約7割が女性です。会長は初代が女性だったので、次に頼みやすいということで女性が続いているのでしょう。是非、男性にももっと指導部に加わってほしいと思っている」と話しています。

◎予想外の義援金

 活発な活動で知られる「神戸市民ラジオ体操の会」の傘下にある体操会だけに、基本を押さえた活動を実施しています。出席カードを配布して100回からはバッジを授与します。夏休みの子どもたちへの参加呼びかけも恒例です。年に1回、神戸市民ラジオ体操の会主催で開かれる王子体育館でのラジオ体操講習会には30名ほどが参加しています。

 今年は隣県の倉敷市で稀に見る豪雨被害があり、王子すみれ会で募金活動をしたところ「驚くような金額が集まりました。いざという時は頼りになる仲間と思いました」と皆内さん。あらためて会の良さを感じた様子でした。

◎様々な効用


左から柳川さん、髙木さん、皆内さん、松田さん

 王子すみれ会で毎朝ラジオ体操を行う効用について、会の皆さんに語ってもらいました。前代表の髙木ツヨ子さんは「風邪をひかないし、身体に良いと実感しています」。指導者の松田友子さんは「友人の輪が広がりました。忌憚なく何でも話せる仲間ができました」。同じく柳川和美さんは「持病だった糖尿病がすっかり良くなりました。今は山登りを楽しんでいます」などと話しました。

 皆内さんは「仲間と顔を合わせ会話して体操をする。1日の始まりとして欠かすことができないものになっています。それに、指導者になると、皆の前で手抜きはできないので、もっと身体に良いですよ」と語っていました。

【2018年11月27日掲載】

株式会社井木組(かぶしきかいしゃ いぎぐみ)さん

《鳥取県琴浦町》

◎港湾工事は暗いうちのラジオ体操


近くの現場は本社でラジオ体操

 株式会社井木組は、鳥取県を主な業務エリアとする土木・建築の会社です。創業は大正元年と古く、現社長の井木敏晴さんは4代目です。2代目までは土木の会社でしたが、3代目(現会長)の時代に建築業へ進出、さらにここ10数年の間にそれまでの法人や公共工事だけでなく個人住宅の建築とそのリフォーム業へと業容を拡大しました。

 ラジオ体操は管理部門のある本社と各工事現場で行いますが、本社では午前10時と午後3時の2回、現場は毎朝の始業時に行っています。港湾工事は朝の5時スタートなどということがあるものの「暗い中でも元気にやっています」と社長の井木さん。

◎女性社員が活躍

 同社の特徴は女性社員の活躍にあります。かつては女性社員の職場は事務職に偏っていましたが、10年ほど前から大きく変わりました。今日では営業、設計、現場監督の支援スタッフなどと幅を広げています。井木さんは顕著な例として個人住宅のリフォームを上げます。「女性の顧客のお相手をすることが多くなり、女性のほうがスムースな商談ができます」と話しています。また、各工事現場の仕事環境などを月に一度点検する女性中心の「6S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ、習慣)チーム」も会社の隠れた競争力を生んでいるとか。「個人向けの事業をさらに広げたい」と考えている井木さんにとって、女性は大事な戦力になっています。

◎大切なラジオ体操


井木 敏晴さん

 同社のある琴浦町は大山を正面にのぞみ、日本海を背にする自然環境の豊かな地域です。鳥取県は毎年11月に解禁される松葉ガニの産地でもあります。井木さんは「最近は境港など近隣の観光地でも海外からのお客さんが増えていますが、それでも静かで落ち着いた環境に変わりはないです。人柄も穏やかで恵まれています」と事業を進めるうえでの条件の良さを認識しています。

 ラジオ体操については「一生懸命やれば効用が大きいと思います。毎日の仕事前の準備体操として大切にしていきたい」と語っていました。

【2018年11月30日掲載】

金子運送有限会社(かねこうんそう ゆうげんかいしゃ)さん

《山口県宇部市》

◎37年前に提案して決まる


金子 正己さん

 金子運送有限会社は毎朝8時から本社前でラジオ体操を行います。夜中などに出発するドライバーを除いて、事務職8名を含む約30名全員が揃います。

 導入は37年前、現社長の金子正己さんの提案でした。一緒に働く仲間が腰痛や肩こりに悩む姿を見ていた折「客先で目にして、これは良いと直観した」とのことでした。運送業では一部の大手を除いて、当時導入している会社は多くなかったようです。マイペースで仕事をするのが当たり前というドライバー気質もあり「いくらか社内の抵抗はあった」のを説得しました。

◎社内の全ての仕事を経験

 金子さんは家業を継いだ形ですが、高校3年生のときに父である初代社長の急逝にあっています。高校を出てすぐに入社しましたが、社長になったのは40歳になってからでした。その間はいわば修業時代で、ドライバーはもとより社内のあらゆる仕事を経験しました。「自分なりに理解したうえでなければ、他人にやってくれとは言えない」と考えたからです。ラジオ体操の提案は実際に自分が現場を経験しているときであっただけに、説得力があったに違いありません。

◎顧客のベストパートナーを目指す


本社前での朝のラジオ体操

 金子さんのラジオ体操に対する積極的な気持ちは今も変わりません。昨年は会社に東京から講師を招いて社員全員で講習を受けました。「皆が汗びっしょりになりました。ラジオ体操の実力を再認識した思いです。習って本当によかった」と言います。

 毎朝、社員とともにラジオ体操をする金子さんですが、最近になって気づいたのは「新入社員が慣れてくると、次第にリーダーのようにふるまうようになること」。新たな存在意義を感じている様子でした。

 社業のこれからについて、金子さんは「顧客の物流プランナーであり、かつベストパートナーであること」を目標としています。「単なる物の運び屋でなく、荷主さんに提案しながら様々な物流全般のお手伝いをしたいです」と力強く語っていました。

【2018年11月30日掲載】

石井町ラジオ体操会(いしいちょうらじおたいそうかい)さん

《徳島県石井町》

◎休みなしの会場


高川原小学校でのラジオ体操

 石井町ラジオ体操会は高川原小学校を会場に毎朝6時半からラジオ体操第1、第2を行います。町の教育委員会の了解を得て、校庭にラジオを常設しています。ラジオ体操前に30~40分間周辺をウォーキングする人が多いそうです。平均40名前後の参加者は随時、校庭にローラーをかけたり、草取りや花壇を清掃するなどして環境を整えています。

 会長の福田光昭さんは会の特徴について「正月休みもなければ、雨の日も台風の日も休みなしということでしょうか」とし、自身も「ラジオ体操は生活のリズムとして絶対に欠かせません。だから毎日やるのです」と語っています。

◎喜ばれる体操会ニュース

 会の発足は平成7年7月。ウォーキングの仲間が話し合い、いつも近くを通る小学校を会場に始めました。「ポケットにラジオを入れて歩いていると、決まった時間にラジオ体操が始まります。いつもそれを聞いているうちに、どうせならやりましょうということになったのですよ」ときっかけを話します。

 始まって4年後からは毎月1日にA4で1枚の体操会ニュースが配られています。事務局を務める会員の医師が作成しており、高齢者向けに細かな健康情報が伝えられる「健康一口メモ」が皆に喜ばれています。

◎山の仲間とも行うラジオ体操


福田 光昭さん

 町の正面に聳える気延山(標高212メートル)は住民たちのハイキングコースになっています。毎月第1土曜日にこの山に登りながら周辺を3時間程度かけて歩く会が開かれており、80名近くが参加します。同会には福田さんをはじめ体操会からも何人かが参加して出発前にラジオ体操を行うのが習わしになっています。

 こちらは午前8時にスタートしますが、この日は福田さんたち体操会のメンバーは早朝に続いて2回目のラジオ体操となります。福田さんは「ラジオ体操の良いところは、日ごろやっていようがやっていまいが関係なくだれでもすっとできる。本当にこれが一番の長所ではないでしょうか」と山の仲間と共にラジオ体操ができる楽しさを語っていました。

【2018年11月30日掲載】

高瀬建設株式会社(たかせけんせつかぶしきかいしゃ)さん

《長崎県大村市》

◎自分の体調を測る物差し

 高瀬建設株式会社は大村市を中心に長崎県内を営業エリアとする土木建築、住宅建設、リフォーム、水道工事などを行う企業です。ラジオ体操は毎朝7時30分から本社で行うほか、常時20か所近くある工事等の現場でも朝礼と併せて実施します。

 社員の健康増進を考慮した先代社長の指示で40年前に導入されました。先代の次男で専務の高瀬正之さんは「ラジオ体操は当日の自分の体調を測る物差しです。また、硬い体を柔らかくほぐしてもくれます」とその具体的な効用を語ります。

◎大村市の発展とともに


本社前での朝のラジオ体操

 同社の創業は昭和33年1月。仕事を始めるきっかけとなったのは、昭和32年に同地方を襲った諫早水害でした。先代社長は農家の生まれで、田や畑で作物づくりをしていましたが、この災害で大きな被害を受け、その復旧のための土木工事を行ったことが創業につながりました。その後、業容を拡大し現在の総合建設業となっています。

 これからの同社について、高瀬さんは「大村市は九州でも人口が増えている数少ない市の1つです。新幹線の新大村駅の建設が始まるなど空港、鉄道、道路と揃う絶好の立地となりつつあります。当社もこの発展に呼応して住宅建設を中心とする新たな社会のニーズに応えていきたい」と語っています。

◎愉快な職場づくりにも一役

 会社のバックグラウンドは順調ながら、それで仕事の厳しさが変わることはないようです。高瀬さんは「この業界はクレーム産業と言われるほど顧客対応の難しい職場です。加えて最近の顧客からは品質の良さだけではなく、創意工夫を求められます」と言います。それだけ社内における気分転換、ないしリフレッシュは大事になります。

 朝のラジオ体操について「部門を超えて皆が一堂に会する貴重な機会であり、情報交換の場にもなっています。そんな時に笑い声が起こることがあり、ほっとするというか、嬉しい気分になりますね」ともう1つのラジオ体操の効用を語っていました。

【2018年11月30日掲載】

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